私が住んでいるドイツでも、ネットワークビジネス(MLM)は
「ピラミッド商法」「雪だるまシステム」と言われて、
あまりいいイメージがありません。

「ピラミッド商法」は、販売員が販売組織を延ばしていく形が
ピラミッド型だから、そう呼ばれています。

「雪だるまシステム」は、雪だるまのように、周りを巻き込んで
どんどん大きくなっていく形から、そう呼ばれるのでしょう。

要するに、「ピラミッド商法」とは、日本の「ネズミ講」や「悪徳マルチ商法」
と同じだと思っていただければいいでしょう。


最初、仲がいいドイツ人の友人にこの仕事のことを説明したら、
「試しに購入するのはいいけど、報酬はいらないから」
と、変な断り方(?)されました。

また、知人のドイツ人男性は、
「あんたが、そんな危ない仕事しているとも思わなかった」
と、言われました。

「一体どこが危ないの?」
と、私も尋ねましたが、答えてくれませんでした。
ドイツも日本同様にネットワークビジネスとピラミッド商法との
区別が一般的に認識されていないんでしょうね。


MLM発祥地であるアメリカでは、
連邦取引委員会が作ったピラミッド商法に関するガイドラインがあります。

  

<<ピラミッド商法の構成要件>>

1 高額の入会金を支払わねばならない。
 
2 販売員を勧誘したとき、その見返りとして、モノやサービスの
  売買とは無関係に勧誘者に報奨金が支払われる。
 
3 新規会員に対しても、同じような権利が与えられる。
  (結果的に多額な出資をする)

4 商品の在庫返品を認めない。

5 勧誘対象を増やし続けなければならない。 

 

連邦取引委員会事務局は、このガイドラインに基づいて1973年以降、
悪質な会社を摘発し、業務停止命令が下された企業もありました。

そのため、アメリカ本国内での経営に窮したピラミッド商法企業は、
海外へ進出しますが、海外でもすぐに被害が問題視されるようになりました。
中でも、ホリディマジック社はたの国でも業務停止命令を受けています。
またイギリスではピラミッド商法そのものが法律で禁じられました。


日本には、それ以前からネズミ講がありましたが、1970年代に海外から
ピラミッド商法の企業も進出してきて大きな社会問題となりました。

1976年特定商取引法の規制で、ピラミッド商法に関するガイドラインと
同様の内容がすべて禁止されています。

 
まだ、アメリカで、ピラミッド商法とネットワークビジネス(MLM)の違いが
明確にされていなかった頃、その構成が似ているMLM企業も告発さ
れるケースがありました。
 
その有名なケースとして、
1975年、アムウェイ社が、アメリカ連邦取引委員会から告発されました。
アムウェイ社はアメリカ連邦取引委員会(FTC)相手に、自己の正当性を
主張し、4年間にわたる裁判で徹底的に争いました。
1979年、アムウェイ社の主張が認められ勝訴しました。

アムウェイのMLMシステムは、
ピラミッド商法の持つ本質的特徴を含んでおらず、
人をだますような違法な商法とは認められない

 
この審決によって、MLMがピラミッド商法と異なる正当な販売システム
であることが初めて法的に認められることになりました。

そして、この裁判の勝訴は業界内外に大きな旋風を巻き起こし、
多くの企業がこのMLMシステムを積極的導入するようになり
新規企業が続々誕生するようになりました。

 
また、アメリカの著名な経済雑誌『フォーチューン』が、
「注目に値する新流通形態」という企画特集でネットワークビジネス
を紹介しました。
そのお陰で、このビジネスが広く一般大衆に認知されるようになりました。


このようにしてアメリカでは、MLMは合法ビジネスとして認められましたが、
違法であるピラミッド商法の方は、連邦取引委員会によって監視されて
います。

しかし現実には、違法を承知でピラミッド商法を展開する業者や、
見かけは合法のシステムでも実質的にはピラミッド商法まがいの企業も
後を絶たちません。

そのために、この業界全体のイメージが悪くなるのは残念です。
ドイツでも、もちろん「ピラミッド商法」は禁じられていますが、
まだネットワークビジネスとの区別が、多くの人に認識されていないのか
状況です。

【 結 論 】

◎ ネットワークビジネスは、   
   1979年アムウェイ社のMLMシステムが違法な商法でないことが
   裁判で認められた。
   
   アメリカの著名な経済雑誌『フォーチューン』が、

   「注目に値する新流通形態」という企画特集でネットワークビジネス
   を紹介した。


× ピラミッド商法は、
  アメリカでは、連邦取引委員会が作ったピラミッド商法に関するガイドライン
  で規制されている。